福田ピアノ工房

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楽器業界に約半世紀。
ピアノの調律・修理を一筋に、幾台もの名器と呼ばれる
国内外のピアノを丁寧に修理し、蘇らせてきました。
あなたの大切なピアノのご相談を承ります。
ぜひお気軽にお問合せください。

工房主 福田 泰博
経歴 1940年 生
      1958年 掛川西高校卒業
      1958年 (株)河合楽器製作所入社(養成工3期生)
      1958~63年 本社、舞阪工場、高松支店
      1964~70年 ピアノ技術者養成所職員
      1971~90年 袋井工場、竜洋工場、本社、河合楽器退社
      1990~2000年 (株)浜松ピアノセンター (日本ベーゼンドルファー)
会員等 (社)日本ピアノ調律師協会(会員No.0582)

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調律師の紹介 「マエストロ」

 

“マエストロ”、“マイスター”、“名匠”……どの言葉もとても良い響きで“技”の存在の重みを感じる。久しぶりにこの“マエストロ”とお呼びしたい人に出会った。ピアノ調律師の福田泰博さん。その道一筋45年のベテランである。

皇居前パレスホテル10Fのフランス料理“クラウンレストラン”、そこに1961年製スタンウェイのピアノがある。昨年より、このレストランでサロンコンサートが始まった。
3月6日に演奏をお願いした新進気鋭の若手ピアニスト佐藤卓史さんの“今時象牙の鍵盤はめったになく、このピアノを弾きたい。1945年製のスタンウェイを蘇らせた人がいます”という一言で、福田氏にクラウンのスタンウェイを調律して頂くこととなった。

素人ながら調律師によってこれほどまでに“音”が変わるものかと感銘した。長年スタンウェイを見てきたレストランのスタッフも驚きの声を上げている。ピアノにとっても、ピアニストにとっても、勿論その“音”に耳を傾けるゲストにとっても大変うれしいことである。
今回は現状から、調律・調整をお願いしたわけだが、近い将来、福田氏の“技”によって1961年製のスタンウエイが本格的に蘇るのを期待してやまない。

(M・K)

 

 

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調律師の紹介 「寡黙な調律師」

文・佐藤卓史さん(ピアニスト)

ピアニストは自分の楽器を持ち運ぶことができない。
今夜演奏するホールの、そこにあるピアノと一晩、運命を共にする。どんなピアノが置かれているかは、行ってみないと分からない。その上、ピアノの内部構造は複雑を極めていて、ちょっと分解して修理…なんていうことは素人には不可能。そんな不安を抱えたピアニストの心強いパートナーが「調律師」だ。

調律師は音程のずれを正すだけではなく、音色やアクションなど、楽器の全般をコーディネイトする専門技術者である。コンサート前のピアニストと調律師は、まさに二人三脚。良い音楽をお客様にお届けするため、準備を惜しまない。一口に調律師といってもいろんな人がいる。「ここを直しておいて下さいね」と注文を付けると、「それはこのピアノの特徴です。一流ピアニストの何とかさんはピアノに文句なんかつけなかった。要はピアニストの腕次第です」などと滔々とまくし立てる人もいるし、「わかりました」と返事してくれたので安心してステージに出たら、全然直っていなかった、なんてこともある。どうも無理な注文をしてしまったらしいと気づく。

福田泰博さんだったらそういうとき、「それを直すには時間がかかるので、今すぐには直りません」と説明して下さる。そう言いつつも、本番までの限られた時間内で可能なさまざまな代替案を試して、少しでも演奏しやすい状態に持っていこうと努力して下さる。この道ひとすじ、ピアノの隅から隅までを知り尽くした福田さんだからこそできる離れ業である。楽器のことは全部福田さんに任せて、私たちピアニストは安心して音楽だけに集中することができる。

福田さんの本領が発揮されるのは、何と言っても楽器修理の分野だ。頑丈な楽器であるピアノも、年月が経つにつれてあちこちが傷んでくる。音も悪くなってくる。そういう古いピアノを引き取って、細部に磨きをかけ、見事に蘇らせる。修理作業中の福田さんの姿を拝見したことはないが、修理が完了した楽器を見ると、その仕事の端正さ、丁寧さが窺われる。外装まで磨き上げられてピカピカだ。人はよく「新品同様」などというが、それとは違うと私は思う。 福田さんの修理した楽器から感じるのは、新品のピアノにはない、歳月の重み。そしてそれを引き出せるのは、やはり長い経験の中で培われた「職人の技」に他ならない。

Gala工房のピアノたちから放たれる深く澄んだ音を聴くとき、私たちは、普段寡黙な福田さんの、ピアノへの愛の深さを知る。

 

 

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調律師の紹介 「もぐり橋」

文・荒川信夫さん

三方を小高い丘にかこまれ、太田川の清流ぞいに発展した森町。ときに遠州の小京都とも形容される。神社仏閣も多く、四季をつうじて草花のたえることがない。川上に向かってしばらくすると、城下(しろした)地域にはいる。まわりの緑を映しながら、水面には鮎が跳ね、白鷺が舞う。ここに手づくりの延城橋、通称もぐり橋。中州にわたる釣り人や、近所の人が犬の散歩に訪れる。

福田家に泊めていただいた翌朝、橋の上で歯を磨きながら魚を眺めていると、悠久の時の流れに溶けこんでしまう。実はこの橋、台風や大水のあるたびに流される。もともと橋脚以外は半ば流されることを想定してはいるが、そのつど架け替えている人々の努力には頭がさがる。

あるとき「あの対岸の倉庫は景観を台無しにしていますね。木でも植えてみたらいかがでしょうか」と福田さんにお話ししたら、つぎに行ったら80本の桜の苗木が植わっていた。「この建物や橋も、この町にとって貴重なものに思うから、看板を作ったらいかがですか」とお話ししたら、そのつぎに行ったら木の香ただよう看板が立っていた。普段は黙々とピアノに向かう福田さんの、まちへの愛情と行動力には感心させられる。

 

実績:パレスホテル

 

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● クライアント : パレスホテル(会場:クラウンレストラン10F)
● コンサート : 2006年3月6日 ピアニスト:佐藤卓史、バイオリニスト:佐藤俊介

ピアニスト佐藤卓史さんのご紹介で、東京の皇居前にある老舗ホテル「パレスホテル」のピアノをオーバーホール。 3月4・5日は使い込まれたハンマーや弦を1つ1つ丁寧に修理し、6日にはコンサート前の調律をおこなった。 寡黙な技術者は、ピアニストの求める音を忠実に調律し、コンサートではピアニスト佐藤卓史さんによって、 都会の喧騒をはなれ、優雅な時間を楽しむ心地よい旋律となって蘇った。

・佐藤卓史オフィシャルホームページ  http://www.takashi-sato.jp/
・佐藤俊介オフィシャルホームページ  http://www.shunsukesato.com/jp/home.html

・パレスホテル  http://www.palacehotel.co.jp/index.html

パレスホテルの10階にあるクラウンレストラン。 皇居の緑が美しく、老舗のホテルならではの上質なもてなし。 東京の中心にいることを忘れ、優雅な時を過ごすことのできるオアシスのよう。

調律師の紹介「マエストロ」