弦の張替の実況中継1

Gala工房ではヨーロッパよりベーゼンドルファー、もしくはその他舶来ピアノの状態の良い中古のピアノを輸入し、技術者 福田泰博が工房で手を入れ、商品にしております。

先日ベーゼンドルファーModel200(1974年製 ウォルナットサテン)が到着し、工房にて弦の張替が始まりました。

今回は主に、チューニングピンの交換と弦の交換です。

ベーゼン200弦ナシ

■1本張と2本張(ループ)

ピアノは1つの音に対し、ハンマーが3本の弦に当たり音が出るように作られています。その弦の貼り方には2種類あって、ベーゼンドルファーとディアパソン(一部のモデル)が一本張り、その他のメーカーはループ(2本張)になっています。

ベーゼンドルファーは1本張で、弦の先に輪をつくりピンに引っ掛けるようにします。もう一方をチューニングピンに巻き付け、ここの引っ張り具合で調律するというわけです。1つの音を校正する3本の弦は3本の弦が必要ということです。

一方その他のメーカーは2本張(ループ状)の弦の貼り方は、チューニングピンからスタートし、ワイヤーを引っ掛けるところでUターンし、先ほどとは違うチューニングピンがゴールとなります。そのため1つの音に隣の弦と共有している弦があるということです。1つの音に1,5本の弦が必要ということです。

ベーゼンドルファーの特徴でもあるこの弦の貼り方は、1つの音を構成する3本の弦はクリアーな音になるということです。また調律するときにチューニングピンを絞めるときに弦がねじれないことも弦の耐久をよくすることや音につながっていることかもしれません。

■工房での作業過程は・・・

ベーゼンドルファーの弦は、まず玉止めをして1本1本の弦を作ります。ワイヤーの種類も18種類の太さの違うワイヤーを1つの音3本づつ作ります。高音部から18種類の太さの違うワイヤーを3本づつ同じ長さで切って、69個の音の分の本数のワイヤーの先を玉止めをにします。これをすべて手作業で作っていきます。

弦の種類玉止め

 

 低音部はワイヤーに銅線を巻いた弦になります。これは巻線製作専門業者であるドイツのヘラー社のもので、こちらで製作されたものにはすべて製番がついています。

バス弦バス弦ナンバー

 

今日のところは、ピアノから弦とチューニングピンを外し、弦を作る作業のところまでです。

工房のある静岡県森町は今の季節は新茶の季節です。周りのお茶工場から新茶の香が薫風に乗って香ってきます。こんなおだやかな中、丁寧な作業が行われていました。